-『支配する』という名の遊技 -
 これは滅多に描かない短編です。ていうか描けないの短いのってワガママ、いや単にウデがないってだけでショ〜か (^^。)。短編は難しいです。自分の中で物語や、そこで動く人物が出来ていくのにはすごく時間が掛かるのですが、短編はそれらが出来上がる前に物語が終わってしまうのですね。よし!! と思った時にはもう終わっているって……。
 紅井は元々ネタ作る時シナリオを作ります。プロットというには非常に詳細なのでシナリオと敢えて言いますが、勿論それ専門に書いてらっしゃる方から見ればとてもつたないものなのですけれど、とりあえず背景からシーンから人物像から台詞から手や瞳の動きに至るまで細かく文章にしていくのです。それというのは、物語を考え作る時はほぼ必ず映像と台詞でずずずい〜っと降りて来ますので、それを忘れないようにするためにはすべてメモるしかない。とにかくメモる (^^。)。その辺に投げてある紙の端切れやら用意してあるメモ用紙やら片っ端からメモっていき最終的に仕上がった時、それはシナリオと化しているというわけ。ちなみに眠りにつく前がいちばん降りてくる感じなので、ベッドの脇にはいつもメモ帳常備していたりして。
 シナリオは単行本200ページ分で、だいたい1ヶ月くらいかかります。その1ヶ月の間に物語をようやく把握するという感じ。で、その期間が最も楽しい時間かな。脚本も監督も俳優も兼ね、あげくは大道具さんやら小道具さんやらも兼ねまくる忙しさで楽しいのです。
 だから短編は、その楽しさを充分に堪能する前に終わってしまうというところがちょっと苦手な理由。結局生み出す作品て、オノレのカタルシス満足させる以外の何ものでもない気がするけれど (^-^。)。でもそれって自己完結できない、読んでくださってなんぼのモノかとも思っています。
 肝心のこの物語ですが、そうこういう理由で物語が終わってしまってから、実は紅井の中で勝手に育ち始めちゃっていて少々困り気味 (そういうコト多いのですけれど)。だからいつかそれを皆さんにお見せ出来る時が来れば良いな、なんて今は考えています。
■単行本「僕らは愛を始めたばかり」挿入済/紹介ページはコチラ→
▲copyright マークのクリックで UP 画像をご覧頂けます▲