我が名は、弥高き佩刀――エクスカリボゥ
選王而巳が我身を抱けり
其は過ぎし日の王 未来の王
完き者の名をアーサーと呼ばん
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物語の主はアーサー。往方の世紀、ケルトの民の賢王。円卓を繞る十二騎士を携え数多艱難をかちすすむ。騎士等は誓う、神かけて。勇ましく礼節深く忠実で在れ。
「一騎打がお望みか?ならばお相手仕る騎士殿、衷心より肯い降伏を――」
「そうはゆかぬ。貴殿の勧めをお諾けすれば、我が名名肖は愧辱に堪えねばなりますまい。騎士道足るもの、臆病の遁げを記するより、はなはだの――百度の死を死にましょう」 |
「AVALON」とは「中世騎士物語――アーサー王伝説」の中で主人公アーサーが最期に向かう、伝説の島の名前です。広義「楽園」とも「冥土」とも取られます。ですが私のこの物語での AVALON は、もうちょっと狭い意味に充てて考えました (詳しくは読んで頂くのがいちばんなのですが)(^^。)。
舞台は第二次世界大戦さなかのドイツ、物語の主は伯爵の息子アロイスと、ユダヤ人の使用人ダヴィデ。出合い、抱いた淡い恋心が、いつしか時代のうねりに翻弄され成長して、愛憎に変わります。ダヴィデをナチから衛ろうと自分を捨てて動くアロイス。しかし憎しみに目が曇ったダヴィデはアロイスを冷たく罵るばかりか、その憎しみのままに彼を犯します。
「I hate, but I love.」――愛は憎しみを越えられるか。
1997.6.10(株)ビブロス |
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